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2026-09-07 · ブログ

本人訴訟でAIをどう使うか2026 — できること・できないこと・進め方

一行要約: 本人訴訟とは弁護士に依頼せず自分で当事者として訴訟を追行することで、法律上誰でも行えますが、事実整理・書面の下書き・争点抽出はAIが得意な一方、請求の法律構成・管轄や時効の判断・判例の実在確認は必ず自分で最終確認する必要があります。生成AIは補助であり代理人ではありません。

「弁護士費用が高くて依頼できない」「金額が小さいので自分で対応したい」——こうした理由で本人訴訟を選ぶ人が増えています。同時に、ChatGPTなどの生成AIを使えば訴状や準備書面が自分でも書けるのではないか、という関心も高まっています。この記事では、本人訴訟で生成AIをどこまで安全に使えるのか、何を自分で確認しなければならないのかを、提訴前の準備から判決後の手続きまで実務的に整理します。

本人訴訟でAIを活用する4つのステップ(訴状準備書面下書き・証拠整理・期限管理・判例検証)を示す図解

本人訴訟とは何か、誰でもできるのか?

本人訴訟とは、弁護士に委任せず、当事者本人(または法人の代表者)が自ら訴訟を追行することをいいます。民事訴訟では、法律上、弁護士への依頼は義務ではなく、誰でも自分の名前で訴えを提起し、答弁書や準備書面を作成し、期日に出頭できます。実際には、請求額が比較的小さい事件や、争点が明確な事件で選ばれることが多く、少額訴訟制度(訴額60万円以下)はもともと本人訴訟を想定して設計された手続きです。

生成AIは本人訴訟のどこで役立つのか?

生成AIが特に力を発揮するのは、大量の事実関係を時系列に整理する作業、契約書やメールのやり取りから争点を抽出する作業、そして訴状・準備書面・証拠説明書の「たたき台」を作る作業です。白紙の状態から書面の構成を考えるより、AIが出した下書きを自分の事実関係と照らし合わせて直す方が、時間も心理的な負担も大きく減ります。

作業AIの活用度理由
事実関係の時系列整理高い資料の量が多いほどAIの整理力が活きる
訴状・準備書面の下書き高い型が決まっている文書は下書きが作りやすい
相手方書面への認否・反論の骨子中程度対応表の作成は得意だが、法的評価は要確認
請求の法律構成の選択低い(要人間判断)事案の評価と戦略判断が必要
管轄・時効の最終判断低い(要人間判断)誤ると訴え自体が却下されうる
判例・法令の引用確認低い(要人間検証)存在しない判例を作り出すリスクがある

AIに任せてはいけないこと

  • 請求の趣旨・法律構成の最終決定 — どの権利に基づいて何を請求するかは、事案の評価そのものであり、AIの提案をそのまま採用すべきではありません。
  • 時効・出訴期間・管轄の判断 — 一つ間違えると訴え自体が却下される、または権利そのものを失う可能性があります。
  • 判例・法令の引用 — 生成AIは実在しない判例や条文を、実在するかのように示すことがあります(いわゆるハルシネーション)。提出前に必ず一次資料で確認してください。

本人訴訟の進め方 — 提訴前から判決後まで

  1. 提訴前:時効の確認、相手方への内容証明郵便での催告、少額訴訟・通常訴訟・支払督促のどれを使うかの選択
  2. 訴状の作成・提出:事実経過表を作り、AIで下書きし、公式書式と照合して提出
  3. 答弁書の受領・反論:相手方の主張を一つずつ認否し、準備書面で反論を組み立てる
  4. 期日への出頭:口頭弁論・弁論準備手続に出頭し、必要な証拠を提出
  5. 尋問・最終準備書面:証人尋問がある場合は事前に想定問答を整理
  6. 判決・その後:判決に不服があれば控訴、勝訴しても相手が支払わなければ強制執行を検討

本人訴訟が向いているケース・向いていないケース

向いているケース弁護士への依頼を検討すべきケース
請求額が小さく、争点が単純請求額が大きく、敗訴時の影響が重大
相手方に弁護士が就いていない相手方に弁護士が就いており、専門的な反論が予想される
証拠関係が比較的明確医療過誤・建築紛争など専門的な立証が必要
平日に裁判所へ出頭する時間が取れる時間的・精神的な負担を減らしたい

よくある失敗とリスク

本人訴訟で特に多い失敗は、①提出期限を過ぎてしまう、②AIが作った文章に存在しない判例や誤った条文番号が紛れ込んだまま提出してしまう、③請求の趣旨と請求の原因が対応しておらず補正を命じられる、の三つです。生成AIを使う場合ほど、最終チェックの手順を省略しないことが重要です。

弁護士に相談すべきタイミング

時効や出訴期間が迫っている場合、相手方に弁護士が就いた場合、仮差押え・仮処分を検討する場合、あるいは請求の組み立て自体に自信が持てない場合は、AIで完成度を上げる前に、まず弁護士に相談することをおすすめします。一度提出した書面は簡単に取り消せないため、迷った時点で相談する方が結果的に時間の節約になります。

よくある質問

Q1. 本人訴訟に弁護士費用はかかりませんか?

弁護士報酬はかかりませんが、収入印紙代・郵便切手代などの実費は必要です。

Q2. AIに書かせた訴状をそのまま提出しても良いですか?

危険です。事実・証拠・法令・判例を必ず自分の資料と照合してから提出してください。

Q3. 相手が弁護士を立ててきたら、本人訴訟を続けられませんか?

続けることは可能ですが、専門的な反論が予想されるため、弁護士への相談を検討すべき局面です。

Q4. AIが作った準備書面に間違った判例が入っていたらどうなりますか?

信用性を損なうだけでなく、裁判所や相手方からの指摘を受ける可能性があります。提出前に必ず実在確認をしてください。

Q5. 少額訴訟と通常訴訟はどちらを選べばよいですか?

訴額60万円以下で1回の期日で終える前提なら少額訴訟、争点が複雑な場合は通常訴訟が向いています。

Q6. 期日に出頭できない場合はどうなりますか?

正当な理由なく欠席すると、相手の主張を争わなかったものとみなされる(擬制自白)リスクがあります。

Q7. 証拠が少ない場合でも本人訴訟はできますか?

可能ですが、立証責任は自分にあるため、証拠収集の見通しを立ててから提訴するべきです。

Q8. 弁護士に途中から依頼を切り替えることはできますか?

可能です。訴訟の途中からでも委任状を提出すれば弁護士に引き継げます。

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※本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事案については弁護士等の専門家にご確認ください。

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